第28章あなたは犬のようなにおいがしない

ダニエルの予想どおり、エミリーは薬を買うと、セレニティ・グローヴへ戻った。

犬の育て方についてはほとんど知識がなかったので、ネットで調べてみる。

犬は散歩が必要――。

専攻変更のための準備資料を片づけ、これまで発表した論文や証明書類にも目を通し終えると、エミリーはビスケットを連れて外へ出た。

そして――。

「奇遇だな」

声をかけてきたのはダニエルだった。

以前よりずっと顔色が良い。冷たさが薄れ、どこか生気が戻っている。

エミリーの視線は、彼が連れている犬へ落ちた。小刻みに震えているように見える。

「本当に偶然ですね。あなたも犬の散歩? 飼い始めたばかりですか?」

うなずきな...

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